歯科症例

破折歯を抜歯しました

左上顎の第4前臼歯の典型的な平板破折。

ワンちゃんが硬い物を噛んで歯を割ってしまう場合、大抵この歯です。このように平たい板のような形にわれることから、平板破折と呼ばれます。

この子は露髄(歯の神経が見えてしまうこと)してしまっていたので、放っておくことは出来ません。治療は歯内療法(神経を取って詰め物をする)をして歯を残すか、抜いてしまうかのどちらかになります。

飼い主さんは抜歯を選択されたため、当院で手術する事になりました。

歯肉の剥離をして 

歯をドリルで割ります 

エレベーターで根っこを動揺させて抜きます 

抜歯処置では抜く前と抜いた後で、必ずレントゲンを撮って、根っこが残っていないか確認することが重要になります。

遠心根が折れた😭

取り残しが無いことを確認😅

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縫合して終了 

ワンちゃんのおもちゃにしろ、硬いガムの類や鹿の角にしろ、牛の蹄にアキレス腱などにしろ、愛犬が喜ぶからと購入される人がまだまだいらっしゃいます。

ワンちゃんにコレを噛ませたら歯が割れてしまうかも知れないと想像するようにして下さい。仕方がないとは言え、まだまだ使えただろう歯を抜くのは、実にもったいないと思うのです。

埋伏歯の抜歯をしました

下顎の第一前臼歯が生えていないワンちゃんは少なくありません。この場合、歯が無いのか、抜けてしまったのか、または歯茎の下に埋まっているのか口の中を見ただけでは分かりません。

歯茎に埋まった歯を埋伏歯と言い、見つけるには歯科用レントゲン検査が必要です。

 

埋伏歯が見つかってしまったらこのタイミングで抜いておきましょう。埋伏歯の約4割が嚢胞を作って顎の骨が溶けてしまうかも知れないからです。

 

「ここの歯が無いですね」とキチンと言ってくれて、歯科用レントゲンを撮ってもらえる獣医さんで、歯科処置を受けてくださいね。